採卵・OPU-IVF・移植
体内受精卵の生産
ホルモン剤投与により生体内で多くの受精卵を生産し、採卵を行います。
採卵は2カ月間隔で連続して行うことが可能です。何度も採卵を行うとホルモン剤への効き目が弱くなることもありますが、その際は1度妊娠・分娩をしたのちに採卵を再開すると、ホルモン剤に再び反応しやすくなると言われています。
凍結はYTフリーザー(ヤマネテック)を使用して行っています。
多いときは1回の採卵で80本の凍結もあります。
体外受精卵の生産
OPUとは
OPU(OvumPick-Up:生体内卵子採取)とは、専用の超音波装置を用いて牛体の卵巣を腟壁越しに穿刺し、未成熟卵子を卵胞液と共に吸引・回収する方法です。ホルモン剤を投与して採胚する体内胚採卵の方法とは異なり、ホルモン剤を投与せずに毎月または2週間に1度の間隔で未受精卵子を採取する方法のため、生産できる受精卵の個数が増加します。
体外受精とは
未受精卵子と凍結精液を顕微鏡下で直接受精させる技術を体外受精といい、当社ではOPU-IVF(生体内卵子採取-体外受精)を用いて体外受精卵を生産しています。当社が生産した体外受精卵は体内受精卵と同様の凍結保存が可能であり、遜色ない受胎性が確認されています。
インキュベーター内で媒精後7日間培養します。
OPU体外受精料金
OPUおよび培養受託については、それぞれ頭数を増やすことでご利用しやすい価格に減額できるようにさせていただきます。
- OPU技術料金:40,000円/頭(3頭目以降30,000円/頭)
- 培養基本料金:15,000/頭(3頭目以降10,000円/頭)
- 培養単価:8,000円/個(正常卵まで発生した場合)
- 凍結単価:2,000円/個
- ウシ卵子培養受託料金:別途お問合せをお願いいたします
移植
2023年に当社で生産した凍結卵の受胎率は、体内受精卵・体外受精卵共に50%以上であり、体外受精卵も体内受精卵と同様の品質が保たれています。移植対象のほとんどはホルスタイン経産牛のため、未経産牛は更に高い受胎率が期待できます。
また、当社の移植供用率は約90%を維持しています。供用率とは移植依頼頭数に対して実際に移植した頭数の割合を示しており、受胎率と共に供用率も高い割合を目指すことで利益の向上に直結します。
当社では移植器へ受精卵を詰める作業から移植までの衛生管理を徹底し、高い技術力で受胎率の向上に努めています。
霧島支店について
当社では、受精卵技術をもっと身近に、誰にでも利用していただけるような体制を整えるため、2022年5月に日本有数の和牛の産地である鹿児島県に和牛受精卵の生産の拠点として霧島支店を開設し、体内受精卵の生産を中心に取り組んでまいりました。
そして2023年12月、本格的な培養室を備える新事務所が完成しました。この度完成した培養室は、体外受精に必要なCO2インキュベーターやマルチガスインキュベーター、クリーンベンチなどを複数台設置することで大量の卵子の培養が可能になりました。それによりOPU体外受精のご依頼はもちろんのこと、卵子培養の委託のみをご希望される場合も対応可能となり、和牛農家・酪農家に限らず受精卵業界に携わる技術者のニーズにも応えることで畜産・酪農業界の更なる発展に尽力いたします。
霧島支店-鹿児島空港間
霧島支店
〒899-5114
鹿児島県霧島市隼人町西光寺292-2